公益財団法人 公益法人協会

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新年のご挨拶

公益法人の皆様、そして多くの非営利組織の皆様、明けましておめでとうございます。

昨年は、英国のEU離脱決定、米国大統領選挙においてトランプ氏の選出など、多くの人が予測していなかった衝撃的な出来事がありました。今年はフランスやドイツにおいても大統領・首相選挙が行われますが、世界的にナショナリズムの動きが台頭する中、従来の世界的秩序の枠組みに変化の兆しが見られます。

また、国内においては衆参両院において3分の2の勢力を手中にした与党政権が、憲法改正に向けて始動する一方、年末には環太平洋経済連携協定(TPP)やカジノ解禁につながる「統合型リゾート(IR)整備推進法」が成立しました。東京都知事選とそれに続く一連の都政改革も耳目をそばだてました。

私ども非営利セクターにとってはいわゆる「休眠預金活用法」の成立は、これからの民間公益活動の推進に大きな資源が投入される点で、大変画期的な成果です。長年にわたりこの制度実現に向けて運動を続けてこられた、関係者の熱意と努力に敬意を表します。

さて、このような国内外の情勢の中、非営利セクターの果たすべき役割は、ますます大きくそして重要になってくるものと思います。民間公益活動は、先駆的であり、時代環境に応じて柔軟に新しい社会的課題に取り組むことが特徴です。一つ卑近な事例で考えてみましょう。

政府は、給付型奨学金制度を2018年度から本格的に始めることを決定しました。格差社会が進む中、奨学金返済を延滞する人が急増しており、その数約20万人、年収300万円未満が約83%を占めていると言われていますが、延滞期間が一定以上になると、一般の個人ローン同様個人信用情報機関への登録もされ、日常の生活にも大きな影響を与えます。この数字は日本学生支援機構の平成23年調査によるものですから、今回の政府の施策はむしろ遅きに失したものではないでしょうか。

しかし、民間の奨学基金はむしろ給付型(返済不要)の方が主流で、その源流は遠く明治時代にさかのぼることができます。明治維新後の先達は、今後の日本社会において有為な人材を育てることが最大の課題であると認識し、各地で民間の奨学基金が発足しました。私は近代日本のフィランソロピーの源流は、奨学基金にありと考えているくらいです。

明治34年に設立された財団法人会津育英会の100周年史を紐解くと、設立に当たって調査した18の各地の奨学基金が紹介されています。現在正確な数はわかりませんがおそらく千前後の大小民間奨学基金が設立されていると思いますが、その大半は給付型です。

これは極端な事例かもしれませんが、その他のあらゆる社会的課題において、小さな予兆のようなものであってもこれをいち早く察知し、その解決のため、知恵を絞り、資金を投入し活動するのが民間公益活動の特徴だと思います。そして税金を原資とする関係から政府の施策は、その社会的課題が大きくなり誰もが認識するようになるまで、動き出さないといった特徴があります。

日本の財政は、破たん寸前の状態にあると多くの識者が指摘していますが、高齢者問題、子育て、貧困対策など当面の問題はもちろん、さらに未来を見通した学術、文化も含む長期的課題は民間公益活動なくしては考えられないと思います。2017年を迎えるに当たり、私たちは改めてこのことを心に刻み、決意を新たにしたいと思います。

終わりに、皆さまと皆さまの組織にとって、さらに飛躍を遂げることのできる2017年となりますよう心からお祈り申し上げます。

 

2017年元旦

公益財団法人 公益法人協会

理事長 太田 達男 

 

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