レジリエントな公益法人

 2021年4月、公益法人協会も新年度を迎えました。
 2020年は、新型コロナウイルスの影響が社会のあらゆる部分に及びました。非営利公益法人も例外ではなく公益目的事業の縮小、萎縮を招いており、この影響は今年度も継続するものと思われます。このような状況の中、私たちは今どのように対処すべきでしょうか。

 近年の大災害を見ても、阪神淡路大震災、3.11東日本大震災と原発事故、さらに熊本地震、西日本豪雨と、数え上げれば枚挙にいとまがありません。すべて想定外の事態といってしまえばそれまでですが、今後もこのような災害がわが国を襲う可能性は非常に高いです。
 民間非営利公益活動は、税収を主たる収入とし国益にかなうことを行う国や地方自治体の活動とも異なりますし、営利活動で収入を得て株主に配当を行う営利企業の活動とも異なります。民間非営利公益活動は、民間の寄附金や助成金、自らの公益事業の収入等により自主的、自立的に国内はもとより国際的な活動により、社会に貢献する活動を行っています。
 現在のような危機的状況の中、自らのミッションに基づき、柔軟に、社会のあらゆる問題の解決に立ち向かう民間公益活動の重要性はさらに増しています。

 このような危機的状況に対するキーワードで最近よく耳にするのは、“レジリエント”(resilient)や“レジリエンス”(resilience)という用語です。
 レジリエンスとは、もともと物理で弾力性という意味ですが、近年は、心理学、生態学で、強靭性、復元力などと訳されています。具体的には、危機を乗り越える柔軟で、しなやかに立ち直る力ということであり、経済、防災、地域づくり、教育などにも使われ、「レジリエントな企業」、「パンデミック等の危機に柔軟に立ち向かえるレジリエントな社会」などの使用例があります。
 2013年の世界経済フォーラム(いわゆるダボス会議)のメインテーマは、“レジリエント・ダイナミズム”でした。2018年の(公財)旭硝子財団ブループラネット賞の受賞者は、「社会・生態システム」におけるレジリエンス概念研究の第一人者であるブライアン・ウォーカー教授(オーストラリア国立大学名誉教授)でした。
 レジリエンスは、かなり前から議論されており、その根源は持続可能な開発を目標とするSDGsともつながるものです。

 民間非営利活動を行う公益法人、特定非営利活動法人等は、コロナによる世界的な大流行、今後起こりうる大災害等に対しても、自らのレジリエンスを高め、単に元の状態に戻すだけでなく、国際協調も視野に入れて、あらゆる努力と研究、実践を通して危機を乗り越え、かつ危機を糧に成長するためにしなやかに立ち直る力をつけていくべきと考えます。

 本年度もレジリエントな活動をめざしている公益法人協会をご支援のほどお願いいたします。

公益財団法人 公益法人協会

理事長 雨宮 孝子