- HOME
- 協会について
- 公益法人協会について
- 理事長挨拶
協会について
公益法人協会について
理事長挨拶
2023年度ご挨拶

2023年4月、新年度が始まりました。
2020年初めから発生した新型コロナウイルスの世界的なパンデミック状態が3年目に入り、政治・経済・社会、文化・教育活動にいまだに大きな影響を与えています。コロナがまったく終息したわけではありませんが、ワクチン接種の加速化で(日本ワクチン接種完了率約83%、EU諸国70%、アメリカ70%、アフリカ諸国30%)、水際対策緩和やマスク着用の議論が盛んになりましたが、日本は、社会を平常に戻す最後のほうの国となり、花見とWBC(ワールド・ベースボール・クラシック)で沸きたっています。
これからは、コロナとの共生の中で、通常の生活はもちろんのこと、民間非営利公益活動をどのような工夫をして推進していったらよいか常に頭に置きながら、我々の活動に力を注いでゆかなければならないでしょう。
また、世界状況を見渡すと昨年2月24日のロシアのウクライナ侵攻は、1年も経過し、EU、西側諸国とロシア(最近は中国とも結びつく)との紛争にまで発展しそうです。自然災害も甚大でトルコ・シリアの大地震では、5万人以上が犠牲になっています。我が国の防衛費の異常な増加、「専守防衛」の原則から「敵基地反撃能力」を持つ国となり、沖縄石垣島に自衛隊のミサイル配備が計画されました。円安、物価値上がりのうえ、光熱費の増加に備え、原発による発電も可能とするなど、社会情勢はますます不安な状態になりつつあります。
2008年から実施された新たな公益法人制度は、15年を経過しましたが、公益活動を実施したり推進したりするに際し、財政的基盤が脆弱であるという問題点が明らかになりました。
公益法人協会としては、これらの問題点について2018年の大会宣言、昨年10月に開催した創立50周年記念シンポジウムで「大会声明2022-縮小均衡から成長戦略へ」を発表しました。
また昨年度は、2022年6月7日に閣議決定された「新しい資本主義のグランドデザイン及び実行計画」および「経済財政運営と改革の基本方針2022」に基づき、民間組織の利便性向上の観点から公益法人制度の見直しの検討を行うために有識者会議が設置されました。その有識者会議では、新しい資本主義実現のための柱の一つとして、公益法人の活性化のための制度見直しとして、以下の二点を主要なものとしています。
(1) 収支相償原則等「公益性の認定基準」はいかにあるべきか。
(2) 認定の基準を見直し、法人の活動の自由度を拡大するとした場合、国民の信頼確保のため、法人の「自律的ガバナンスや説明責任」はいかにあるべきか。
この有識者会議は、私、雨宮が座長となり2022年10月4日から8回(12月14日)会議を行い、12月26日に「中間報告」が出されました(中間報告の内容と、それに対する会員の皆様のご意見についてのアンケート調査報告書の詳細は、『内閣府・新しい時代の公益法人制度の在り方に関する有識者会議「中間報告」に関するアンケート調査(2023年2月実施分)報告書』参照)。
有識者会議は、本年4月に第9回以降の会議が再度開かれ、6月にパブリックコメントを経て成案(法改正)を得る予定となっています。
我々公益法人協会は、官と民をつなぐ中間支援団体としての役割に応え、この会議に即して民間の立場から言うべきことは主張し、公益法人制度の問題点を解決すべき努力いたします。
認定基準を見直し、法人の自由度を拡大した場合の法人のガバナンスについては、2020年策定したガバナンス・コード(官によるものではなく自ら作成したガバナンス・コード)等を遵守することにより、ガバナンスの強化を図ってまいります。
新年度に当たり、公益法人協会は、公益法人界唯一の中間支援組織としての自覚を常に持ち、「信頼され親しまれる協会」として、会員をはじめとする非営利組織のシンクタンクとして、有用な諸施策等の提言を引き続き実行してまいります。会員の皆様のご意見やご要望に一層耳を傾け、シンクタンク機能を果たすために必要な資源(ヒト、モノ、カネ)を充実させるために努力いたします。
このシンクタンク機能とは、公益法人をはじめとする民間非営利組織に関する正確で信頼性のある情報・知識を持った組織としての体制を整えることです。外部の専門家の協力をお願いすることは当然ですが、公益法人協会の役職員も、自らの専門知識を高めていく努力が必要だと思います。
新しい資本主義の下、民間非営利組織としての公益法人協会の存在意義を改めて確認し、本来のミッション、目的をより深く追求し、考えてゆきたいと思います。
本年度も公益法人協会をご支援、ご指導よろしくお願い申し上げます。
公益財団法人 公益法人協会
理事長 雨宮 孝子