協会について
公益セクター
公益信託
公益信託とは、委託者(個人・法人等)が、学術、技芸、慈善、祭祀、宗教その他一定の公益目的のため、受託者(信託銀行等)に対して、その財産を移転し、受託者がその公益目的に従って、その財産を管理・運用し、受益する不特定多数の方々のために役立て、公益目的を実現しようとする制度です。
公益信託制度(「公益信託ニ関スル法律」(大正 11 年法律第 62 号))は、1977年の第1号誕生より、奨学金の支給、科学研究や国際協力事業への助成をはじめ、教育振興、芸術・文化振興、社会福祉はもとより、まちづくり活動といった幅広い分野で活用されています。
その後、法制審議会信託部会において公益信託法の見直しが図られ、2018年に「公益信託法の見直しに関する要綱案」が取りまとめられ、2023年の「新しい時代の公益法人制度の在り方に関する有識者会議」(座長:当協会理事長 雨宮孝子)の最終報告*1を受け、新たな「公益信託に関する法律」*2が成立(2024年)、関連政令・施行規則等*3が整備(2025年6月)され、2026年4月の施行に向け、「新たな公益信託制度の施行準備研究会」*4に於いて、ガイドライン等の整備に向けて検討が進められています。
新たな公益信託制度のポイントは、①受託者が、これまで、主に信託銀行だったのに対し、信託銀行はじめ各種の法人、個人に拡大されたこと、②信託財産の範囲が、これまでの金銭中心から、金銭はもとより美術品、建物等に拡大され、それに伴い助成型に加え、事業型の信託事務が可能となったこと、③認可主体が、これまでの主務官庁制から、公益法人制度と同じ行政庁に統一されたこと等です。併せて、税制はじめ関連諸制度も、信託制度としての特殊性を考慮しつつ、新しい公益法人制度の見直しに整合させることとなりました。
*1「新しい時代の公益法人制度の在り方に関する有識者会議」最終報告(2023年)
https://www.koeki-info.go.jp/regulations/documents/c3q3v4fuua.pdf
*2「公益信託に関する法律」(2024年)
https://laws.e-gov.go.jp/law/506AC0000000030
*3「公益信託に関する法律施行令」等(2025年)
https://www.koeki-info.go.jp/trust/documents/yspbfdi5jf.pdf
*4「新たな公益信託制度の施行準備研究会」
https://www.koeki-info.go.jp/trust/h8ajzkb8mt.html
以下、当協会関連参照資料
1.『公益法人』2024年9月号~12月号(特集 新しい公益信託法の成立(1)~(4))
https://kohokyo.or.jp/cms/wp-content/uploads/2025/08/kouekihoujinshi2409-12_feature_articles.pdf
2.「公益信託に関する法律施行規則(案)」等に関するパブリックコメントへの意見提出
https://kohokyo.or.jp/non-profit/kohokyo20250515/
3.当協会「令和7年度税制改正要望」P14
https://kohokyo.or.jp/non-profit/kohokyo20240731/
4.当協会「令和8年度税制改正要望」P14
https://kohokyo.or.jp/non-profit/kohokyo20250804/