昨年の12月4日、会社法の一部を改正する法律、および一般法人法の一部改正を含む関係法律の整備等に関する法律が成立、同年12月11日、公布された。
この度、上記改正法および整備法の施行に伴い、法務省関係政令・施行規則等の一部改正について意見募集に付された(9月1日~9月30日)。一般社団・財団法人施行規則関係では、「電子提供制度に関する規定の改正」、「役員等責任賠償責任保険に関する規律の新設」について盛り込まれている。
当協会では、今回の意見募集に当たり、意見をとりまとめ、9月30日提出した。意見全文は後掲のとおりである。
〔参考:意見募集資料〕
https://search.e-gov.go.jp/servlet/Public?CLASSNAME=PCMMSTDETAIL&id=300080224&Mode=0
〔公益法人協会意見〕
「会社法の改正に伴う法務省関係政令及び会社法施行規則等の改正案」
一般法人法施行規則案に対する意見
1 新たに法制化された電子提供措置
(1)社員総会の重要性とデジタル化を踏まえて、総会資料のインターネット上での提供を、印刷コストを削減し、資料を充実して、社員からの個別承認を経ずに定款で定める方法は世間の流れに沿ったものと思われるが、一般社団法人は、①株式会社と異なり、社員から現行より早い情報提供を求める声は少なく、②社員からの資料の提供要求はほとんど紙媒体であり、電子提供のニーズは少なく、仮に両者が併存する場合には提供期間が異なることは混乱を招きかねないこと、③法人サイドにおいては、現行の2週間を事務手続き上、短縮する要望が強いものであることを申し上げたい。
(2)第7条の2(電子提供措置)及び第7条の3(電子提供措置をとる場合における招集の通知の記載事項)は一般法人法の改正に伴う技術的・形式的なものであり、異論はない。
2 補償契約と役員等のために締結される保険契約
(1)補償契約についてはこれまでの争点を明確にするものであり、異論はない。
(2)第20条の2(役員等賠償責任保険契約から除外する保険契約)は、被保険者である役員等の職務の執行の適正性が著しく損なわれるおそれがないものとして省令において二つのケースを定めたものであり、とくに異論はない。
3 かねてより申し上げているとおり、一般法人法は会社法とは異なった独自の存在理由をもった法律であり、今後その改正等に当たっては、その意義を踏まえて、一般法人法の固有の問題として取り扱うことを要望したい。
以上